3月18日、高出力ロケットエンジンの地上燃焼実験を視察する北朝鮮の金正恩党委員長(右)(朝鮮労働党機関紙『労働新聞』電子版から)(C)時事

 

 北朝鮮は今年に入って、金日成(キム・イルソン)主席の誕生日である4月15日の軍事パレードに登場させた新型、改良型各種ミサイルを次々に発射させた。前回説明したように、残るは2つのICBMとみられるミサイルの発射実験だ。

 しかし、北朝鮮がICBMを発射すれば、中国が原油の供給削減を含むさらに厳しい経済圧迫に踏み切る可能性もあるのはもちろん、米国は北朝鮮がレッドラインを超えたと判断し、1度は引き揚げた原子力空母などを再び朝鮮半島周辺に配備し、グアムにあるB52やB1、B2爆撃機などを朝鮮半島に飛来させることも予測される。そうなれば、北朝鮮軍も警戒態勢に入らざるを得ない。

 しかし、北朝鮮は現在「田植え闘争」の最中で、軍隊をはじめ国を挙げて農村支援に取り組んでいる季節だ。各種ミサイル発射は、専門部隊である戦略軍が動くだけでできるが、米軍の軍事的な圧迫に対する警戒態勢に入るには、「田植え闘争」期間中は無理だ。その意味で、「田植え闘争」中はICBMの発射はないと言えるだろう。

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