ドゥロンジエ代表(中央)と夫のフラデット氏(右)(筆者撮影)

 

「男女共同参画」「女性の活躍社会」と掛け声はいいが、実現にはほど遠い日本。あるカナダ人カップルのケースを紹介しよう。

公的な場では「婦唱夫随」

 東京・港区のマンションの1室に入っているカナダ・ケベック州政府のクレール・ドゥロンジエ在日事務所代表の公邸。6月下旬のある夜、ケベック州のナショナルデーのパーティーで、公邸は外交団や日本の政府要人、日加両国関係者など100人を超える招待客で賑わった。

 白いドレスのドゥロンジエ代表は、この夜も巧みなもてなしで来客を退屈させなかった。初対面の客人同士を共通の話題で引き合わせ、手持無沙汰にしている客人に話しかけ、合間に飲み物は行き届いているか、ビュッフェ料理はきちんと出ているかと気を配った。

 ドゥロンジエ代表のもてなしもさることながら、私がいつも感心するのが、夫君クロード・フラデット氏の公的な場における妻との距離の取り方だ。こうした集まりでは、当然ながらドゥロンジエ代表が主人で、フラデット氏は伴侶となる。同氏は「代表の夫」として妻を立て、自分は一歩下がったところでホストに徹する。

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