四月下旬、南アフリカ共和国で荷揚げを拒否されて中国に戻ったはずの武器輸出船に満載されていた合計七十トンの武器が、当初の予定通り到着したとジンバブエ政府が認めた。 報じたのは、南アの経済紙『ビジネス・デー』とモザンビークのオンラインニュース『カナル・デ・モザンビーク』。それによると、突撃小銃や手榴弾などを積んだ中国の安岳江号は、南アのダーバン港で荷揚げを拒否されたものの、南ア海軍艦ドラケンスバークが同国沖合で密かに給油した。給油の間、南ア艦はレーダーや衛星による捕捉を妨げる妨害電波を出して安岳江号の位置を隠したという。 中国からジンバブエへの武器輸出に対しては、ジンバブエで反政府勢力に対する弾圧が続いていることから国際的に非難の声が高まっており、南アも表向きは荷揚げを拒否したのだ。 その後、中国船は喜望峰をまわって、アフリカ大陸西岸コンゴ共和国のポンタネグラ港で荷を降ろした。ジンバブエのマトンガ情報広報省副大臣が認めたところによると、武器はチャーターされたロシア製大型輸送機イリューシンでジンバブエの首都ハラレに届けられたという。 一方、中国国営新華社通信は四月二十七日、安岳江号はアンゴラのルアンダ港に寄港したが、荷揚げは許可されなかったと報じている。一連の報道に対し、中国政府も「船は(武器を降ろさず)中国に戻った」との姿勢を崩していない。

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