8月1日、サウジアラビア国営通信(SPA)は、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の肝入りプロジェクトとして、紅海岸リゾート開発計画を発表した。

ブルームバーグの記事がより詳細である。

"Saudi Arabia Plans a Huge Red Sea Beach Tourism Project," Bloomberg, August 1, 2017.

開発はサウジ政府設立のソブリン・ウェルス・ファンドであるPublic Investment Fund(PIF)が主導して内外の投資を募る(事業規模の全体総額は明らかにされていない)、2019年着工で第1期が2022年に完成するとのこと。

プロジェクトの場所は紅海岸の町のウムルジュ(Umjuj; あるいはアムラジュAmlaj)からワジュフ(al-Wajh)にかけての沖合に点在する50の島々で、面積は34,000平方kmに及ぶ。発表によれば、35,000人の雇用を生み出し、150億サウジ・リヤール(40億米ドル)のGDPをサウジにもたらすという。

サウジ社会は外国人に対して閉鎖的であり、ビザ取得は困難で、都市間の移動の自由も厳しく制約され、男女隔離などの規範的制約も著しい。ところがムハンマド皇太子が掲げる「ヴィジョン2030」では観光を経済開発の柱の一つと位置付ける。観光開発の前提となる条件は現状では全く整っていないと見るのが通常であり、こういった計画の実現可能性には常に懐疑的な視線が付きまとう

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