北朝鮮「今ある脅威」ICBM(中)「米中露」それぞれの「思惑」
2017年8月7日
トランプ米大統領は7月28日、北朝鮮のICBM発射を受けて声明を出し、「無謀で危険な行為だ。米国はこのミサイル発射実験を糾弾し、こうした実験や武器が北朝鮮の安定を確保するためのものだという北朝鮮の主張を拒否する。現実にはまったく反対の効果が出る。世界を脅すことで北朝鮮は一層孤立する」と警告した。その上で、米国は日韓など域内の同盟国を保護するために必要なすべての措置を取る、とした。
トランプに「次の手」はあるのか
さらに、トランプ大統領は7月29日のツイッターで、「中国には非常に落胆した。過去の愚かな指導者たちが、中国に対米貿易で多大な金をもうけさせてきたのに、中国は口先ばかりで、北朝鮮問題で何もしてくれていない。われわれは、もうこんなことは続けられない」と呟いた。
しかし、トランプ大統領に妙案はあるのだろうか。米国が取れる手段もそう多くはない。朝鮮半島で本格的な軍事行動を取れば、それは全面戦争に発展する可能性が高い。『ニューヨーク・タイムス』は7月6日、米国のノーティラス研究所が作成した報告書を引用して、米軍が北朝鮮の核・ミサイル施設を攻撃し、北朝鮮軍が通常兵器で韓国を攻撃した場合、数時間で約3000人、北朝鮮がソウルを攻撃すると最高で3万人の死者が発生するとした。また、開戦初日の死者数が30万人に達するという研究もあると報じている。
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