【特別対談】「韓国」「北朝鮮」との「向き合い方」(4)
2017年8月24日
小此木政夫:文在寅(ムン・ジェイン)政権がスタートしたときに、日本ですぐレッテル貼りが出たでしょう。反日・親北・親中政権と。このあたりはどうですか。
文政権が強調する「主導的役割」
平井久志:特に雑誌とかテレビメディアで、レッテルが先行し過ぎていると思いますね。それよりも韓国が持つ制約性と可能性を、ぼくたちはもう少し客観的に見る必要があるのではないか、という気がします。
たとえば「親北」ということで言うならば、文在寅政権が開城工業団地や金剛山観光の再開を希望したのは事実です。けれども、今の北朝鮮がこんなにミサイルを発射して、国際社会が制裁圧力を加えようという声が高い中で、すぐにできないことはわかっているわけです。でも、過去の歴史を見ても、南北関係が悪化しているのに、米朝関係や日朝関係、朝鮮半島の状況が好転するということはあり得ないわけです。ならば、今の核・ミサイルの危機的状況を少しでも好転させる方向に行く場合は、南北関係がうまくいくことが前提にならざるを得ない。
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