イスラエルはロシアと米国の双方に外交攻勢

執筆者:池内恵2017年8月25日

8月23日にイスラエル・ネタニヤフ首相はソチでプーチン大統領と会談した。

これと重なる時期に、イスラエルの諜報機関モサドのヨッシ・コーエン長官が率いる代表団が米国を訪問しているようだ。

これらの訪問で行われる協議において主要な課題になるのは、シリア南部へのイランの浸透をどう食い止めるかである。先に記したように、ここでエジプトは信頼できる緩衝勢力としてイスラエルの計算に入っているようである。

イスラエルにとっては、一方で米国とロシアとの関係が険悪化することでシリア問題での協調が不確かになり、核開発・ICBM開発で北朝鮮問題が重要視されることで米国の中東への関心が薄れ、中東に関与する余力がなくなることに警戒しているようである。イスラエルは米国にロシアとの協調を促し、イラン脅威論を煽ることに注力しているようである。

これは東アジア情勢にも間接的に影響を及ぼす動きである。

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