苦渋の表情で経営統合の無期延期について記者会見する(右から)十八銀行の森拓二郎頭取、ふくおかフィナンシャルグループの柴戸隆成社長(C)時事

 

 地方銀行の経営危機が現実味を帯びてきた。

 日本経済新聞は8月16日、2018年3月期第1四半期(2017年4~6月)決算では、地銀・第2地銀のうち82行・グループの半数以上が減益決算となったと報じた。これは同紙独自の集計だが、いずれ金融庁や全国銀行協会により正式な集計が発表されるだろうが、そうなるとさらに大きな注目とともに、危機感を持って受け止められることになるだろう。

前期比2割の減収

 日本銀行が2016年2月にマイナス金利政策を導入して以来、初めての通期決算となった2017年3月期決算では、金融庁のまとめによると、本業の収益から国債など債券での損益などを差し引いた「実質業務純益」は、都市銀行(みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行)で前期比13.2%の減少となった。第2地銀41行も、合計値が同16.0%減と都市銀行を上回る減益だったが、もっとも減益となったのは地銀だった。地銀64行の合計値は同19.8%減と、約2割も収益が減少したのである。

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