トップの顔が変わっても党の中身は変わらない(C)時事

 

 民進党は9月1日の臨時党大会で、新しい党代表に前原誠司元外相を選出した。だが、前原氏はその3日後、早くも新しい党執行部の人事でつまずいた。予定していた山尾志桜里元政調会長の幹事長への起用をあきらめざるを得なくなったのだ。

 失敗の原因がどこにあるのかと言えば、山尾氏が起こした問題以上に前原氏本人の軽さと脇の甘さにある。そして多くの人が、かつての「永田メール問題」での前原・旧民主党執行部の失態を思い出したことだろう。

「山尾スキャンダル」で

 今回の人事をめぐる混乱を振り返ってみよう。まず、山尾氏については、昨年、政党支部の収支報告書で不明朗なガソリン代支出が発覚するなど政治資金に関する複数の問題が指摘されており、メディアから追及を受けていた。幹事長に就任しても、その問題が尾を引き、与党やメディアから問題を蒸し返されるおそれがあった。

 前原氏もそのことを考慮しなかったわけがない。それでも「女性」「若さ」「歯切れの良さ」などで好感度が高い山尾氏のプラスのポイントがあり、過去のトラブルのマイナス分を補って余りあると判断していたのだろう。

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