9月7日、訪問先のギリシャにて、晩餐会でパヴロプロス大統領と乾杯するブリジット・マクロン夫人(右から3人目)(C)AFP=時事

 

 フランスのエリゼ宮(大統領官邸)が8月21日、「フランス大統領夫人の身分に関する透明性憲章」を発表した。ファーストレディーの公的役割と待遇を規定したもので、エリゼ宮によると世界で初めてだという。その狙いとするところは、ファーストレディーにフランスのために働いてもらおうというもので、これは他の先進国に波及する可能性が大いにある。

 大統領夫人であれ、首相夫人であれ、ファーストレディーになりたてのころは誰もが「自分は何をしたらいいのか」と自問し、悩むという。大統領や首相は、その任務と責任が憲法や法律で定められているが、ファーストレディーには何の規定もないのがふつうだから、悩むのが当然といえば当然である。

 オランド前大統領の事実婚相手だったバレリー・トリルベレールさんは、自著で「エリゼ宮の住人となってから『私は何をやったらいいのだろう』と悩み、国際会議では他のファーストレディーが何をしているか観察しました」と書いている。安倍晋三首相の妻、昭恵さんも講演で、「夫が首相になった時(2006年9月の第1次安倍政権)、首相夫人として何をやったらいいか分からなかった」と明かしている。

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