“偽装就職”のため、入管当局に提出した「雇用契約書」「雇用理由書」のコピー(筆者提供)

 

 日本で就職する外国人留学生が増え続けている。法務省の最新統計である2015年には過去最高の1万5657人を数え、5年前の7831人からほぼ倍増した。

 その後、安倍政権は2016年6月に閣議決定した「日本再興戦略」(成長戦略)で、留学生の就職率を従来の3割から5割へと引き上げると決めた。一方、同じく「成長戦略」に掲げる外国人「留学生30万人計画」によって、留学生の数は2012年からの4年間で10万人近く増え、2016年末時点で27万7331人に達している。彼らが卒業時期を迎える頃には、留学生の就職は万単位で増える可能性がある。

 留学生が就職によって「就労ビザ」を取得することは、日本で「移民」になる資格を得たに等しい。就労ビザはひとたび取得すれば簡単に更新でき、本人が望めば永住への道も開ける。だが、移民の受け入れに反対する人からも、増加する留学生の就職への異論は聞かれない。留学生の就職は、基本的にはホワイトカラーの専門職しか認められていない。そんなこともあって、日本で言葉や文化に親しんだ優秀な外国人が、日本企業の国際化などに貢献してくれるといったイメージで捉えられているのだろう。

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