米国ラスベガスで10月1日夜に起きた銃乱射事件少なくとも59名の死者、400名を超える負傷者を出し、米国でも前例の少ない規模の銃犯罪事件となった。

ここでも「イスラーム国」に近いメディア組織アゥマーク通信(Amaq)が犯行を主張する声明を出した。1つ目の声明では、犯人(ネバダ州在住の64歳の白人のStephen Paddockとされる)を、イスラーム国の「戦士の1人」と呼び、対「イスラーム国」作戦を行う連合国を標的にせよという「イスラーム国」からの呼びかけに答えたものだと主張し、次の声明では「数カ月前にイスラーム教に改宗していた」と主張している。

しかし犯人による事前の声明映像などは出してきておらず、後付けで勝手に手柄を主張しているのかもしれない。信憑性は現時点では高くない。

ただし、「イスラーム国」及びその根拠となる思想である「グローバル・ジハード」は、各国の不満を抱いた層を反社会的な暴力行動に駆り立て、理屈づけをする「反システム運動」の思想として広まっていく可能性がある。今回の事件がその一例だったかどうかはまだ分からないが、「イスラーム国」側の主張を一笑に付すこともまた禁物である。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。