イラク北部「クルディスターン」の独立を左右するロシアの「石油権益」
2017年10月3日
クルド情勢がめまぐるしく揺れ動く。9月25日にイラク北部のクルド自治区(KRG: クルディスターン地域政府)支配地域で、独立の賛否を問う住民投票が強行され、投票率が72%、そのうち92.73%が独立に賛成という、予想通りの一方的な結果が出た。これによって勢いづき、KRGは11月1日に大統領選挙と議会選挙を行うとクルド・メディア『ルダウ』は伝える。
イラク・クルドの四面楚歌
これに対してイラク中央政府はトルコやイランと共に「兵糧攻め」に出ている。イラク中央政府がKRGの首都エルビールへの国際航空路を遮断し、陸路の管轄権をKRGから奪おうとし、トルコとイランが呼応してそれぞれの国境を封鎖する。もちろんKRGはこれを拒否している。
トルコは「越境した反体制組織PKKの拠点の掃討」を名目にKRGの領域内への空爆を繰り返し、それをイラク政府が容認する。
逆に、イラクでの公然とした独立主張・投票をきっかけに、シリアやイランのクルド勢力の独立機運もこれまでにない次元に高められ、普段は何かと仲の悪いクルド諸勢力の間の求心力も強まりつつあるようだ。
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