トルコのエルドアン大統領が、10月4日、イランの首都テヘランを訪問しており、ロウハーニー大統領だけでなく、最高指導者ハメネイ師とも面会する模様だ。

主要な議題はクルド問題と見られている。エルドアン大統領のイラン訪問に先立つ10月1日、トルコのフルシ・アカル参謀総長がイランを訪問しており、クルド独立を周辺の大国が協調して武力を用いて阻む可能性が取り沙汰されている。

北イラクのクルド人自治区KRGの国家独立を目指す動きが9月25日の住民投票で次の段階に達した中で、クルド人口を抱えたトルコ・イラク・イランがこれまでになく接近している。米国トランプ政権がイランを敵視し、サウジが対イラン包囲網を築こうとしてきたにもかかわらず、NATOの加盟国であるトルコがイランに歩み寄る意味は大きい。

あたかも競うように、10月5日には、サウジのサルマーン国王はロシア・モスクワを訪問しプーチン大統領と会談する予定である。

今回の訪問では、海水淡水化や省エネといったサウジが必要とする技術の共同開発や、エネルギー部門での協調を目指して、それぞれの課題に10億ドルの基金を共同で立ち上げるとされる。同時に、シリア内戦をめぐって議論がなされる模様だ。

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