AfDの「共同筆頭候補者」として「不満」の受け皿となった新星アリス・ヴァイデル氏(C)AFP=時事

 

 前稿(2017年10月3日「ドイツ総選挙『極右台頭』の『正しい読み解き方』」)で、ドイツ総選挙における、極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)の得票が旧東独に偏っていることについて、簡単に触れた。この点をもう少し補足しておく。

 今回AfDは、全国では12.8%の票を獲得したが、旧東独に限ってみれば22.5%である。さらに、チェコと国境を接する旧東独東南端のザクセン州では、この数字が何と27.0%に上る。実に4人に1人がAfDに投票した計算だ。同州では極左の左派党が16.1%得票しているので、これを併せれば実に43.1%となり、全有権者の4割が、左右いずれかの過激主義政党に投票したことになる。これは衝撃的である。

 実際、今回の総選挙におけるAfDの得票分布を地図上にプロットしてみると、旧西独北部ではほとんど白いまま(AfDの得票が少ない)なのに対し、旧西独南部へと下り、さらに東に進んで旧東独地域に至るにつれて色が濃くなり(AfDの得票が多い)、東南端のチューリンゲン州やザクセン州まで来ると、色が黒色に変わる。

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