サウジの壮大な経済改革(国家改造)プラン「ヴィジョン2030」の目玉、そして改革を成立させる前提条件とも言える国営石油会社サウジアラムコ(Saudi Aramco)の新規株式公開(IPO)だが、迷走を極めている。

「ヴィジョン2030」の実現可能性は大いに懐疑的に見られており、その初期段階の実施計画として昨年6月に発表された2020年までの工程表である「国家改造計画」も今年9月には大幅に修正する作業が行われていると報じられた

この調子ではサウジアラムコの株式公開もやはり危ないのでは、という印象を打ち消すために、例えばサウジ情報省は9月9日に、公開は予定通り2018年内に行われる、と確認する声明を出したほどだ。しかしついに「ギブアップ」したとの観測が高まっている。

『フィナンシャル・タイムズ』『ウォール・ストリート・ジャーナル』が相次いで、サウジアラムコの株式公開を棚上げし、中国など政府系ファンドへの非公開株式売却で資金調達を行う方向性が固まりつつあるという観測を報じ始めた。

"Saudi Aramco considers shelving international," Finantial Times, 14 October 2017.

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