イラク政府軍部隊が、クルドKRGが実効支配するキルクーク周辺部の軍事空港(K-1基地)に向けて進軍を始めたと報じられている。クルド人が歴史的に帰属を主張するキルクークは大規模な油田を擁し、ここをイラク政府軍とKRGのどちらが掌握するかが、クルド独立の経済的な成否を左右するとも言える。

"Iraqi forces start advancing toward KRG-held Kirkuk to take over airbase, oil fields," Daily Sabah/Reuters, October 16, 2017.

KRG(クルディスターン地域政府)傘下のクルド民兵ペシュメルガとの衝突は伝えられていないが、クルド系メディアはペシュメルガによる反撃を予告すると共に、キルクーク市民に抵抗を訴えている。KRGは10月12日までにキルクークに6000人を増派したと発表し、緊張が高まっていた。イラク政府は9月25日の住民投票結果の撤回を要求し、10月15日の午前2時を期限としてキルクーク南方の戦略拠点からのペシュメルガの撤退を求めていたが、KRG側は拒否、最後通牒の期限が24時間延長されたとも伝えられる中(イラク政府側は最後通牒そのものを否定)、緊張が高まっていた

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