ドイツ北部ハノーバーの空港に到着したシリア難民。メルケル首相の頭痛の種? (C)AFP=時事

 

 2017年の「国際安全保障会議」は2月17日、例年どおりミュンヘンで始まった。ところが先日、同会議の公式サイトを開いた私は、すこし大袈裟に言うと腰が抜けんばかりに驚いてしまった。サイトのフロントページが一変していたからである。拙稿(3)の「事務局ホームページの混乱」で示したように、2016年には第1面の上方中央に「戦争はいやだ(Nein Krieg)」とか、「NATO(北大西洋条約機構)じゃ平和はありっこない(Kein Frieden mit der NATO)」とか書きなぐった横長の写真があり、その右側に「戦争、貧困、逃走――NATO戦争会議に反対」と大書した「NATO安全保障会議に反対する行動連盟」の写真が掲載されていたはずである。実際、私はそれらを保存している。

フロントページもメンバーも

 ところが、2017年版フロントページでそれらが全部、消えてしまっている。代わって掲載されているのは、誕生して間もないトランプ米政権の副大統領マイケル・リチャード・ペンスの顔写真なのである。その顔写真を再度クリックすると、登場するのはアンゲラ・メルケル独首相の顔。要するに、フロントページは一切合財がすっかり変わってしまった。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。