税制改革まで頓挫するようでは来年の中間選挙も不安(C)AFP=時事

 

【ワシントン発】 下院共和党は公表が遅れていた税制改正法案を11月2日に明らかにし、同法案の審議が本格化している。ポール・ライアン下院議長(共和党、ウィスコンシン州第1区選出)やケビン・ブレイディ下院歳入委員長(共和党、テキサス州第8区選出)らが明らかにした税制改正法案「減税・雇用法案(Tax Cuts and Jobs Act)」は、トランプ政権としても議会共和党としても第115議会(2017年1月~19年1月)会期中に何が何でも成立させなければならない優先法案である。

トランプ大統領の焦り

 1月3日に第115議会が召集され、1月20日にはトランプ政権が成立し、共和党は第2期ジョージ・W.ブッシュ政権前半の2年間の第109議会(2005年1月~07年1月)以来実に10年振りにホワイトハウス、上下両院すべてを多数党の立場で支配することとなった。それだけに、トランプ政権が重視する優先法案の審議も、共和党主導で進むものと予想されていた。だが、トランプ政権と議会共和党指導部が最初に取り組んだ「医療保険制度改革関連法(通称オバマケア)」の見直しは、上院での審議で離反する共和党議員が相次ぎ、第115議会の冒頭から多くの時間とエネルギーを費やしたにもかかわらず、頓挫を強いられた。

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