英国人研究者が発した「習近平演説」への疑問
2017年11月28日
中国の明日を展望するうえで、10月18日の第19回中国共産党大会での習近平中国国家主席による報告は、欠かすことのできないものだろう。3時間半を要した演説に、江沢民元総書記も「長かったなあ」との感想を伝えたといわれるほどだったが、この演説の意義については、国際的にも明らかにしていきたいと中国は考えており、その試みは今後さまざまな形で展開されるのではないだろうか。
その1つが、中国社会科学院(CASS)と中国国際経済交流センター(CCIEE)の共同主催で、11月16日に北京で行われた「国際シンクタンク・シンポジウム」である。
「第19回党大会:中国の発展と世界的意義」と題された会議には、中国の研究者とともに各国のシンクタンクにも招待状が送られ、CCIEEとの数回にわたる討議を行ったことのある私にも招待状が回ってきた。この会議の中から、私がかかわったところだけをつまみ出して、今後の中国の国際関与姿勢を判断してみたい。
福田元首相の「懸念」
当日の午前中は、各国を代表する名士の演説が相次いだ。ダボス会議を主催する世界経済フォーラムのアジア版で、中国政府の支援で設立された「ボアオ・アジア・フォーラム」の理事長でもある福田康夫元首相は、次の2点について述べた。
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