BRI(一帯一路構想)への各国の対応の概念図(筆者作成・本文参照)
 
 

 第19回中国共産党大会の意義をどう判断するのか、という問いに対して私は、中国の経済圏構想「一帯一路」に絞って問題提起することにした。

 11月16日の北京の気温は摂氏4度で、コートは外出に不可欠だったが、快晴で、PM2.5の数値をあえてチェックするには及ばないと判断するほど、外見上は問題がなかった。「国際シンクタンク・シンポジウム」を主催した中国社会科学院(CASS)と中国国際経済交流センター(CCIEE)という2つの団体が、「北京秋天」までも用意したかの如くであった。

 習近平体制の成立をどう判断するのかについて、各国から招いたシンクタンクの意見一覧表を作るというのが、彼らの趣旨だったと考えてよい。私が日本を代表して発言するのは、いかなる意味でも正統性を欠くが、他に出席者もいない以上、日本の雰囲気をそれなりに伝える必要があると考えた。

 4年前にカザフスタンのアスタナで習近平中国国家主席が提示した経済圏構想は、歴史的なシルクロードの意義を踏まえ、「one belt one road」と表現された。「belt」とは陸路、「road」は海路を意味する。

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