経済の頭で考えたこと (96)

承前:習近平「一帯一路」構想への2つの問題提起

BRI(一帯一路構想)への各国の対応の概念図(筆者作成・本文参照)
 
 

 第19回中国共産党大会の意義をどう判断するのか、という問いに対して私は、中国の経済圏構想「一帯一路」に絞って問題提起することにした。

 11月16日の北京の気温は摂氏4度で、コートは外出に不可欠だったが、快晴で、PM2.5の数値をあえてチェックするには及ばないと判断するほど、外見上は問題がなかった。「国際シンクタンク・シンポジウム」を主催した中国社会科学院(CASS)と中国国際経済交流センター(CCIEE)という2つの団体が、「北京秋天」までも用意したかの如くであった。

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執筆者プロフィール
田中直毅(たなかなおき) 国際公共政策研究センター理事長。1945年生れ。国民経済研究協会主任研究員を経て、84年より本格的に評論活動を始める。専門は国際政治・経済。2007年4月から現職。政府審議会委員を多数歴任。著書に『最後の十年 日本経済の構想』(日本経済新聞社)、『マネーが止まった』(講談社)などがある。
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