駆逐艦進水式事故は6月下旬に関係者処断、韓国大統領選には依然として言及なし(2025年5月18日~5月24日)

5月22日付1面トップは、朝鮮労働党中央委員会第8期第12回全員会議を「6月下旬」に招集するとの政治局決定であった。上半期を総括して下半期の方向性を示す定例的な会議であるが、それよりも、同決定の右横に掲載された「新たに建造した駆逐艦の進水式挙行」と題する短めの記事が目を引いた。写真は付されていない。
進水式は、日本海に面した港湾都市、咸鏡(ハムギョン)北道の清津(チョンジン)造船所で行われたが、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が見守る中で「重大な事故が発生した」のだという。「進水の過程で、未熟な指揮と操作上の不注意によって、台車移動の平行性を保つことができなかった結果、艦尾部分の進水送り台が先に離脱して座り、一部の区間の船底の破孔によって艦のバランスが崩れ、艦首部分が船台から離脱しな」かったという。
金正恩の対応は非常に厳しく、「単に不注意と無責任感、非科学的な経験主義によって生じた、到底あり得ず、到底許せない深刻な重大事故、犯罪行為である」と断じ、「わが国家の尊威と自尊心を一瞬にして落とした今回の事故に責任のある党中央委員会軍需工業部と国家科学院力学研究所、金策(キムチェク)工業総合大学、中央船舶設計研究所をはじめとする関連単位と清津造船所の当該幹部らの無責任な過ちは来月に招集される党中央委員会全員会議で取り扱わざるを得ない」と警告した。
駆逐艦の原状回復については、「単なる実務的問題ではなく、国家の権威に直結した政治的問題であるため、党中央委員会6月全員会議以前に無条件に完結すべき」とされた。
翌23日付第2面には「駆逐艦進水事故に関連した調査事業の深化」と題する記事が掲載され、検察機関と専門家による本格的な調査の着手について報じられた。当初の発表とは異なり船底の破孔はなく、船体の右舷が引っかかれ、船尾部分に海水が浸水したことが確認されたという。修復可能だという判断である。

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