経済の頭で考えたこと (104)

「改革と開放」から40年「民間活力」という習近平の「苦悩」

執筆者:田中直毅 2018年11月30日
エリア: アジア
鄧小平と並ぶ、いやそれを超える指導者として名を残すのか (C)EPA=時事

 

 師走を迎えると、鄧小平(当時、中国副総理)が開始した「改革と開放」からちょうど40年の節目となる。

 シンガポールのリー・クァンユー首相(当時)が、10年にわたった文化大革命(1966~76)の悲惨さからの離脱の手法に頭を悩ませていた鄧小平に、シンガポールの見学を誘ったのは1978年5月の訪中時だった。この年11月にシンガポールを訪問した鄧小平は、南方に成立した都市国家の繁栄ぶりを見て「改革と開放」に踏み出す決意を固める。1カ月後の12月には、その後の中国経済を決定的に変えた「改革と開放」が発表された。

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執筆者プロフィール
田中直毅(たなかなおき) 国際公共政策研究センター理事長。1945年生れ。国民経済研究協会主任研究員を経て、84年より本格的に評論活動を始める。専門は国際政治・経済。2007年4月から現職。政府審議会委員を多数歴任。著書に『最後の十年 日本経済の構想』(日本経済新聞社)、『マネーが止まった』(講談社)などがある。
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