問題となっている臨床研究「CREATE-X」(JBCRGホームページより)
 

 スイス製薬大手の日本法人「ノバルティスファーマ」が販売する降圧剤の研究不正が発覚して5年が経過した。

 この間、医師と製薬企業の関係については、情報開示が進んだ。2012年以降、製薬企業は医師や病院への資金提供を、一部の大学や病院は製薬企業から受け入れている資金を、それぞれ開示するようになった。さらに、今年4月には臨床研究法が制定され、製薬企業は医療機関・研究者への資金提供を公表することが義務づけられた。これで、医師と製薬企業の不適切な関係は改善されたと思うだろう。

 ところが、話はそんなに簡単ではない。私は、実態は変わっていないと考えている。

「日本臨床腫瘍学会」の癒着

 すこし工夫すれば、医師と製薬企業の「癒着」の痕跡は、容易に見つけることができる。多くの医師主導臨床研究のプロトコール(治験実施計画書)や、学会のガイドラインがインターネットで公開されている。ご興味がある方は、ファイルをダウンロードして、「プロパティ」の「作成者」の欄を調べてみるといい。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。