いまだ「東ティモール」を牽引する3人の「建国の父」
2017年12月25日
日本から南に真っ直ぐ下り、赤道を過ぎたあたりでティモール島にぶつかる。その東半分が東ティモール、人口120万ほどの小さな島国だ。真っ青な海と空一面が真っ赤に染まる夕焼け。手つかずの自然が残り、最後の秘境ともいわれながら、まだ観光客が足を踏み入れることのない国。そういうところで今年9月、政権交代があった。
商才に長けた初代首相
新たに首相の座に就いたのは、マリ・アルカティリ。イエメン人を先祖に持つ、身長160センチに満たない小さな男だ。目が鋭く笑顔を見せたことがない。
この男が首相の座に就いたのは、彼が属する政党「東ティモール独立革命戦線(フレテリン)」が先の総選挙で、それまでの与党「東ティモール再建国民会議(CNRT)」を破り第1党になったからだ。
このアルカティリ首相と、CNRTのシャナナ・グスマン元首相の対立こそが、2002年の独立以来、東ティモール政治の基本をなしてきた構図である。
東ティモールは1976年にインドネシアに併合されたが、その圧政に抵抗して独立闘争を主導したのがフレテリンであり、東ティモールを代表する政党である。
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