「プロゴルファー」である前に

執筆者:舩越園子2017年12月26日
難病を告白しつつ第一線で戦い続けるホフマン(契約メーカー『Titleist』HPより)

 

 いきなり私事で恐縮だが、12月になると、亡き父のことが、いつも以上に思い出される。若いころからスポーツが大好きでとても元気な父だったが、2007年の夏、「脊髄小脳変性症」という難病に侵されていることがわかり、症状は日に日に悪化。診断からわずか2年半後の2009年12月に、父はこの世を去った。

 それからというもの、ニュースを見るときも、米ゴルフ界で取材をするときも、何をするときも、私は「難病」という2文字にすぐに目が行くようになった。

 つい先日も米PGAツアー選手のモーガン・ホフマンが難病の「筋ジストロフィー」と診断され、それを自ら公表したという話を朝日新聞で連載させていただいている私のコラム「素顔のプロたち」に書いたばかりだ。

 ホフマンは28歳の米国人。名門オクラホマ州立大学ゴルフ部で腕を磨き、2011年にプロ転向。下部ツアーを経て2013年に米ツアーデビュー。そのころから自分のスイングスピードが徐々に落ちていると感じ、25人もの医師を訪ねたが、なかなか原因がわからないままツアーで戦い続け、成績も向上させていた。2015年には夢だった『マスターズ』出場も果たし、初優勝は近いと感じていた矢先の2016年11月、「筋ジストロフィー」と診断された。

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