朝鮮労働党機関紙『労働新聞』2017年7月31日付紙面より。記事中写真の中央が崔龍海党副委員長、その左が序列5位に急浮上した朴光浩氏(筆者提供)
 

 

 北朝鮮は年末を迎え、12月11、12の両日に「第8回軍需工業大会」を、12月21日から23日まで「朝鮮労働党第5回細胞委員長大会」を開催し、米国を核攻撃することのできる「国家核武力完成」を「歴史的偉業」として称え、党を末端から忠誠の組織に鍛え上げることを確認して今年を締めくくろうとしている。

 金正恩(キム・ジョンウン)党委員長は、新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」の発射成功をもって、国家核武力完成を宣言した。北朝鮮は現在、米国との対決に向かうのか、対話に向かうのかの分水嶺にあるように見えるが、その内部で進行している権力暗闘の状況などについて報告したい。

黄炳瑞、金元弘両氏への処罰

 朝鮮労働党は10月7日に朝鮮労働党中央委員会第7期第2回総会を開催し、党政治局を中心に大幅な人事を断行した。その翌日の10月8日には故金正日(キム・ジョンイル)氏の総書記就任20周年慶祝大会が開かれ、その時点での党政治局常務委員5人の序列は(1)金正恩党委員長(2)金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長(3)崔龍海(チェ・リョンヘ)党中央委副委員長(4)朴奉珠(パク・ポンジュ)首相(5)黄炳瑞(ファン・ビョンソ)軍総政治局長――だった。崔龍海氏は序列5位から序列3位へと上昇し、序列3位の黄炳瑞軍総政治局員は序列5位に下がった。

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