北朝鮮「権力暗闘」最新事情(上)突如「序列5位」急浮上した謎の男

執筆者:平井久志 2017年12月27日
エリア: アジア
朝鮮労働党機関紙『労働新聞』2017年7月31日付紙面より。記事中写真の中央が崔龍海党副委員長、その左が序列5位に急浮上した朴光浩氏(筆者提供)
 

 

 北朝鮮は年末を迎え、12月11、12の両日に「第8回軍需工業大会」を、12月21日から23日まで「朝鮮労働党第5回細胞委員長大会」を開催し、米国を核攻撃することのできる「国家核武力完成」を「歴史的偉業」として称え、党を末端から忠誠の組織に鍛え上げることを確認して今年を締めくくろうとしている。

 金正恩(キム・ジョンウン)党委員長は、新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」の発射成功をもって、国家核武力完成を宣言した。北朝鮮は現在、米国との対決に向かうのか、対話に向かうのかの分水嶺にあるように見えるが、その内部で進行している権力暗闘の状況などについて報告したい。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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