スイスの高級腕時計の輸出がピークだった2014年、見本市に出品された腕時計。646粒ものダイヤがあしらわれている (C)AFP=時事

 

 2017年のスイスの全世界向け時計輸出額が、3年ぶりにプラスに転じる見通しとなった。スイス時計協会の統計によると、2017年1月から11月までの累計輸出額は182億4740万スイスフラン(約2兆887億円)と、前年の同期間を2.8%上回った。12月も増加基調が続くとみられ、2017年1年間の輸出額は、2016年の194億510万スイスフラン(約2兆2213億円)よりも増える見通しとなった。スイスの時計輸出は2014年の222億4730万スイスフラン(約2兆5466億円)をピークに減少を続けてきたが、ここへきてようやく下げ止まった。

「汚職摘発」が逆風に

 主因は、スイス時計の世界3位の輸出先である「中国本土(香港を除く)」向けが、大きく回復していること。11月までの輸出額は、前年同期に比べて19.6%も増えている。中国では2015年の上海株急落などをきっかけに、高級時計や宝飾品といったラグジュアリー商品の消費が激減していた。株価の下落による「逆資産効果」とも言えた。

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