第8回軍需工業大会に出席した金正恩党委員長(前列中央)[KCNA VIA KNS](C)AFP=時事

 

 前回(上)冒頭でも触れた通り、北朝鮮は12月11日~12日に、平壌の「4.25文化会館」で「第8回軍需工業大会」を開催した。これには金正恩(キム・ジョンウン)党委員長も臨席した。北朝鮮メディアは「第8回」と報じたが、「軍需工業大会」の開催が公にされたのは初めてである。過去、秘密開催だった軍需工業大会を公表した背景には、11月29日に発射した新型ICBM(大陸間弾道ミサイル)「火星15」の実験成功があったと見られる。

「第8回軍需工業大会」開催

 金正恩党委員長は2017年元日の「新年の辞」で、「大陸間弾道ロケット試験発射準備が最終段階に入った」としていたが、ICBM完成という目標を年内に達成したといえる。「軍需工業大会」はその成果を確認する大会であった。

 同大会の報告は、太宗秀(テ・ジョンス)党副委員長(党政治局員)が行ったが、その中で「2度の水爆実験」、「3.18革命」、「7.4革命」、「7.28の奇跡的勝利」、「11月29日の偉大な勝利」を称えた。これは2016年9月と2017年9月の2度の水爆核実験、3月18日の大出力エンジンの燃焼実験の成功、7月4日のICBM「火星14」の発射実験成功、7月28日のICBM「火星14」の2度目の発射成功、11月29日の新型ICBM「火星15」の発射成功を意味するものだ。

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