金正恩党委員長(右)の下で、強大な権力を手中にした崔龍海党副委員長(左)だが、粛清の可能性は? (C)時事

 

 北朝鮮は「第8回軍需工業大会」の開催に続いて、12月21日から23日まで「朝鮮労働党第5回細胞委員長大会」を開催した。党細胞とは5~30人で構成される朝鮮労働党の最末端組織で、細胞委員長はその責任者だ。2013年1月に第4回を開催して以来、約5年ぶりの大会となる。かつて細胞の責任者は「党細胞書記」と呼ばれたが、2016年5月の第7回党大会で「書記」が「委員長」に名称変更された。

 一方、朝鮮労働党中央委員会は2017年1月25日付で、年末に「万里先駆者大会」を開催するという「報道文」を発表した。北朝鮮では朝鮮戦争後、1日に千里を奔るという「千里馬」にたとえた増産運動である「千里馬運動」が展開され、大きな成果を挙げたとされる。金正恩政権は今年の念頭に、「千里」を上回る「万里」を走る馬のような速度戦、増産運動を提唱し、その総決算として「万里馬先駆者大会」の開催を予告したが、本稿の執筆時点ではまだ開かれていない。

 年末の「第8回軍需工業大会」や「第5回細胞委員長大会」は、それに代替するような大会ともいえる。また、国際的な制裁が課せられている中で、増産運動の中心活動家を平壌に集めることは、逆に生産活動にマイナスになると判断したのかもしれない。

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