瓦職人なのに「無人島ビジネス」を展開する(写真をクリックするとサイトに飛びます)

 

 さまざまなジャンルで活躍する「異能異才」に肉迫するインタビュー・シリーズ、第1回目に登場するのは森孝徳(もりたかのり)さん、33歳。3回にわけてお届けします。

 

 ぼくは飛騨高山の瓦屋「森瓦店」の3代目です。1949年、祖父が創業しました。

 祖父は岐阜県恵那の出身で、第2次世界大戦でシベリアに抑留されました。次々に仲間が死んでいくなか、自分は食料係だったから生き延びることができたとよく聞かされました。

 シベリアから帰国後、恵那には戻らず飛騨高山に落ち着き、瓦屋を始めたのが始まりです。そして2代目を父が継ぎ、規模を少し大きくしました。

家業を継ぐ気はなかったけれど

 ぼくは3兄弟の長男です。でも、家業を継ぐつもりは毛頭ありませんでした。むしろ父親の後なんか継ぐか、違う道に行こう、という気持ちが強かった。

 父も、「瓦屋もいつどうなるかわからんから、大企業に勤めたほうがいい」と口癖のように言っていました。もちろん継ぐと言えば嬉しかったでしょうけど。

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