ロイヤルダッチシェルのベアーデンCEOの記事は示唆に富む (『Financial Times』HPより)
 

 新年になって原油価格が急上昇している。

 たとえばOPEC(石油輸出国機構)と非OPECが協調減産を2018年末まで延長することに合意した2017年11月30日のNYMEX(ニューヨーク商品取引所) WTI(原油先物)の終値は、57.40ドル/バレルだった。それが2017年最終取引日の12月29日に、2年半ぶりに60ドルを超えて60.42ドルで引け、新年以降も60ドル以上で推移。1月12日は64.30ドルで引けている。

 確かに価格上昇を促す要因がいくつか重なった。それは北海フォーティーズ油ガス田からのパイプライン操業停止であり、大寒波であり、米国の在庫大幅減少であり、イランの反政府運動などである。

 では、原油価格はこのまま上昇を続けるのだろうか?

 筆者は、一昨年1月に30ドル割れを経験したときと同じように「このまま春を迎えることはないだろう」と考えている。方向は真逆だが、今回も市場のovershooting(過剰調整)の表れではないだろうか。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。