賓客への「おもてなし」を重視する安倍外交

執筆者:西川恵2018年1月18日
首相官邸で儀仗隊の栄誉礼を受けるムルキ・ヨルダン首相(右)と安倍首相 (C)AFP=時事

 

 外国の首脳が高位の訪問形式で来日した時、その首脳と国家に敬意を表し、東京の霞が関や国会周辺の街灯にその国の国旗が掲げられる。

「最近、よく国旗が掲げられているな」と感じている人もいるのではないだろうか。その通り。首相官邸は約半年前から、賓客の来日に際して国旗を掲げる機会を増やすよう指示した。安倍晋三政権が進める「外国からの賓客を大切にする」政策の一環だ。

 昨年7月、ヨルダンのハニ・ムルキ首相が実務訪問賓客として来日した。同首相は12日から15日まで滞在し、14日、安倍首相と会談した。

 官邸の玄関に滑り込んだ黒塗りの車からムルキ首相が降り立つと、出迎えた安倍首相が手を差し伸べ、しっかりと握手。ムルキ首相を両国の国旗が飾られた広間に案内し、歓迎式典がもたれた。

 ムルキ首相は居並ぶ儀仗隊による栄誉礼を受け、続いて荘重な「巡閲の譜」の曲が奏でられる中、安倍首相に随伴されながら、儀仗隊長の先導で儀仗兵を巡閲した。

 このあと両首脳は首脳会談に入り、内戦が続くシリアからの難民を受け入れているヨルダン支援のため、日本が水道網整備に約14億円を供与することで合意した。また2国間関係の強化でも一致。ムルキ首相は会談後の共同記者発表で、日本の支援に謝意を表明した。

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