饗宴外交の舞台裏 (236)

賓客への「おもてなし」を重視する安倍外交

執筆者:西川恵 2018年1月18日
エリア: 中東 アジア
首相官邸で儀仗隊の栄誉礼を受けるムルキ・ヨルダン首相(右)と安倍首相 (C)AFP=時事

 

 外国の首脳が高位の訪問形式で来日した時、その首脳と国家に敬意を表し、東京の霞が関や国会周辺の街灯にその国の国旗が掲げられる。

「最近、よく国旗が掲げられているな」と感じている人もいるのではないだろうか。その通り。首相官邸は約半年前から、賓客の来日に際して国旗を掲げる機会を増やすよう指示した。安倍晋三政権が進める「外国からの賓客を大切にする」政策の一環だ。

 昨年7月、ヨルダンのハニ・ムルキ首相が実務訪問賓客として来日した。同首相は12日から15日まで滞在し、14日、安倍首相と会談した。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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