饗宴外交の舞台裏 (271)

「権威主義の祭典」北京冬季五輪を控えた東京の使命

執筆者:西川恵 2021年7月22日
エリア: アジア その他
「北京オリンピックタワー」のオープニングセレモニーに出席したトーマス・バッハIOC会長(2016年6月) ⓒAFP=時事
米・EUが2022年北京冬季五輪への外交的ボイコットを呼びかけるなかで開催される東京五輪は、民主主義体制と権威主義体制の対立という政治的脈絡から逃れられない。

 新型コロナウイルス感染拡大により、緊急事態宣言の下、無観客でスタートする東京五輪・パラリンピック。民主主義と権威主義が鋭く対立するなか、「東京五輪が残すべきレガシー(遺産)は」と問われれば、混乱なくスムーズに、かつ選手たちが全力を出し切れるよう、民主主義国の威信にかけてこの国際スポーツイベントをやり切ることにあると思われる。

注目される開会式参加首脳の顔ぶれ

 五輪開会式(7月23日)に出席予定の外国・地域の首脳(級)の賓客は、現時点(7月19日)でジョー・バイデン米大統領のジル夫人とフランスのエマニュエル・マクロン大統領の名が挙がっている。

カテゴリ: 政治 スポーツ
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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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