饗宴外交の舞台裏 (266)

中国「食べ物の浪費禁止令」が「外交饗宴」にもたらした「変化」

執筆者:西川恵 2020年10月9日
タグ: 中国
エリア: アジア
9月22日、江蘇省の婁勤倹・共産党書記と会見した横井裕・駐中国大使。在中国日本国大使館「微博(ウェイボー)」公式アカウントより

 

 8月11日、中国の習近平国家主席が国営メディアを通じて「食べ物の浪費禁止令」を指示し、それを実施しようと、大きな国民運動に発展している。この運動が、すでに以前から節約モードにある外交饗宴に、どう影響するのか注目される。

離任のあいさつで奔走

 近々、任期を終えて帰国する横井裕・駐中国大使は、9月末までの約1カ月、離任のあいさつ回りや、それを兼ねたイベント出席で地方を駆け巡った。日本大使館のホームページによると、山東省(8月26~29日)、江蘇省(9月22日)、上海市(同23日)、遼寧省(同24~25日)、海南省(同28日)と、中国沿岸の省を南北に奔走した。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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