コンサルと外銀の優秀層がPEファンドを目指す
大学生の就職希望先では最近はコンサルティングファームが人気だ。東京大学を例にとると大手コンサルのアクセンチュア、外資戦略ファームのBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)やマッキンゼー等へ多数の卒業生が入社している。そして、コンサルへ新卒入社した人々の多くが将来的に転職をする。その転職先で人気の業種がPE(プライベートエクイティ)ファンドだ。PEファンド(ここではバイアウトファンドのことをいう)は、コンサルや投資銀行などのプロフェッショナルが次のキャリアとして希望する人気の転職先なのだが、転職市場では大変狭き門である。主要コンサルファーム各社が全体で年間数千名を採用するのに対して、PEファンド業界はその100分の1程しか採らない。すなわち、コンサルや投資銀行(近年では総合商社など他業種からの転職も増加)などのプロ人材の中で、特に優秀な人が選抜されるのがPEファンドである。
では、PEファンドとは何か? その役割を端的に述べると「投資家から集めたファンド資金を企業に投資して、一時的に対象企業のスポンサーになり経営改革を推進して企業価値を高め、株式公開や保有株式の売却によって対象企業を次のスポンサーにバトンタッチして対象企業を再び世の中に送り出す。また、それによって得た投資の利潤をファンドの投資家へ還元する仕事」である。このような取り組みを通じて日本の産業が抱える問題を解決していくのがPEファンドであり、企業のお医者さんのような存在だ。
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