饗宴外交の舞台裏 (267)

「豪華・象徴性」で米・台湾連携強化を演出した「総統主催晩餐会」

執筆者:西川恵 2020年11月4日
タグ: 台湾
エリア: アジア
台湾を訪問したクラック米国務次官(左)と蔡英文総統(中央)(中華民国総統府HPより)

 

 8月のアレックス・アザー米厚生長官に続く、9月17~19日のキース・クラック米国務次官の台湾訪問は、トランプ政権(第1期)の台湾政策の1つの頂点を画すものといえるだろう。

 「戦争に向けた準備を」

 クラック国務次官の訪台後、中国は台湾への圧力を一段と高めている。10月上旬、中国共産党系の『環球時報』は、胡錫進編集長名で、

 「中国が前進するための唯一の道は、戦争に向けた準備を完全に整えることだ。(中略)歴史的な転換点が近づきつつある」

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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