「マスクはベッセントにラグビー選手のように肩をぶつけ、ベッセントもこれに反撃した」

Foresight World Watcher's 8 Tips

執筆者:フォーサイト編集部 2025年6月8日
エリア: アジア 北米
関税政策をめぐってマスク氏と政権の通商チームは激しく対立したという[右からマスク氏、ラトニックUSTR長官、ベッセント商務長官=2025年5月30日、アメリカ・ワシントンDC](C)AFP=時事

 イーロン・マスク氏とドナルド・トランプ大統領の確執が大騒動になっています。まさにプロレス的に展開が早く、事態の把握が追い付かないのですが、米メディアはまさにスクープ合戦。内幕の詳報が毎日登場しています。

 しかし、あの眼鏡をキラリと光らせるスコット・ベッセント財務長官がマスク氏と取っ組み合いの喧嘩とは。ワシントンポスト紙のインサイドレポートからお届けします。他に新大統領が誕生した韓国・朝鮮半島関連記事も加えて全8本、よろしければご一緒に。

Inside the battles that shattered Trump and Musk’s alliance【Cat Zakrzewski, Natalie Allison, Elizabeth Dwoskin, Jeff Stein, Emily Davies/Washington Post/6月7日付】

「『ママとパパが泣きわめくのをやめてくれればいいのにと祈る、両親が酷い離婚をした子どものような気分だ』とテッド・クルーズ上院議員(共和党、テキサス州)は金曜日[6月6日]のポッドキャストで語った」
「トラブルの最初の兆候が現れたのは2月、連邦政府職員に過去1週間の5つの成果を説明するよう指示するメールが政府全体の受信箱に届いたときだった。[略]/マスクが連邦政府を根本的に誤解している、あるいは連邦政府をうまく操る能力が欠けているのではないかとの懸念が高まった」
「トランプとスティーブン・ミラー大統領次席補佐官はマスクの側に立ち続けた。しかし、[首席補佐官のスージー・]ワイルズはマスクの米国DOGE[政府効率化省]と他の高官たちとの衝突にますます憤慨していた」
「[4月2日に相互関税を発表して間もなく]マスクと大統領の通商チームの間の対立は、スコット・ベッセント財務長官とマスクの殴り合いに発展した。ドナルド・トランプの長年の政治顧問で影響力のある右派ポッドキャスター、スティーブン・K・バノンそうは述べた」
「バノンによれば、『スコットは“お前は詐欺師だ。完全な詐欺師だ”と[マスク]に言った』。/マスクはベッセントの胸に肩を“ラグビー選手のように”ぶつけ、ベッセントも反撃したという。二人が国家安全保障問題担当補佐官のオフィスに到着すると、皆はこのスクラムを解こうとした。マスクはホワイトハウスの西棟から追い出された」

 対立は二人の間だけに止まらず、政権高官たちの間にも確執を広げてきたようだ。米ワシントンポスト紙の5人の記者たちが伝えた「トランプとマスクの同盟を打ち砕いた内紛」は、その内幕を17人へのインタビューをもとに再現している。

 マスクの薬物使用問題は日本のメディアでも伝えられているものの、本記事ほど踏み込んだ記述は見当たらない。

カテゴリ: 政治
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