ポイント・アルファ
ポイント・アルファ (35)

胎動するゲームチェンジャー「南鳥島レアアース泥」――日本が手に入れる「世界第3位」の埋蔵量|中村謙太郎・東京大学エネルギー・資源フロンティアセンター長(1)

執筆者:関瑶子 2026年4月30日
エリア: アジア
日本はハイテク製品に不可欠なレアアース(希土類)のほぼすべてを輸入に頼り、その多くを中国に依存してきた。2012年、東京大学のチームが南鳥島沖で発見した超高濃度レアアース泥は、そうした状況を一変させるゲームチェンジャー候補として熱い期待を集めている。商業化までにはハードルが残るものの、そのポテンシャルが極めて高いのは間違いない。特に重要な「重希土類」の含有量や、開発に伴う環境負荷の問題について、南鳥島レアアース泥はどのような特色を備えているのか。(聞き手:関瑶子)

 長野光と関瑶子のビデオクリエイター・ユニットが、現代のキーワードを掘り下げるYouTubeチャンネル「Point Alpha」。今回は、日本のレアアース輸入の現状と南鳥島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内で発見されたレアアース泥の特徴について、東京大学大学院工学系研究科附属エネルギー・資源フロンティアセンター長の中村謙太郎氏に話を聞いた。 ※主な発言を抜粋・編集してあります。

「重希土類」は100%近くが中国依存

——日本のレアアース調達の現状を教えてください。

「日本にはレアアース鉱山がないため、国内生産はできません。国内で使用するレアアースのほぼすべてを、海外からの輸入に頼っています。そのうちの約70%が中国からの輸入です」

「2010年のいわゆる『レアアースショック1』以前は、中国からの輸入が輸入量全体の90%以上を占めていたことを考慮すると、この15年で中国への依存度は減ったと言えるかもしれません」

「それでも、依然として日本がレアアースの調達を中国に頼っているのは事実です。レアアースの中でも特に産業上重要とされる重希土類については、いまだほぼ100%を中国からの輸入に依存しています」

「レアアースという呼び名は、一つの元素を指す言葉ではなく、17種類の元素の総称です。その中で特に、質量数が大きく“重たい”レアアースを重希土類と呼びます。重希土類を豊富に含むレアアース鉱石が採掘できる鉱山は、現状では中国に偏在しているのです」

カテゴリ: 環境・エネルギー
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執筆者プロフィール
関瑶子(せきようこ) ライター・ビデオクリエイター 早稲田大学大学院創造理工学研究科修士課程修了。素材メーカーの研究開発部門・営業企画部門、市場調査会社、外資系コンサルティング会社を経て独立。You Tubeチャンネル「著者が語る」の運営に参画中。
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