人は「地上の太陽」を手にするか 核融合発電の現在地――最前線のプレイヤーたち|江尻晶・東京大学大学院新領域創成科学研究科教授(3)
長野光と関瑶子のビデオクリエイター・ユニットが、現代のキーワードを掘り下げるYouTubeチャンネル「Point Alpha」。今回は、核融合発電の国際プロジェクトや各国のプロジェクト、スタートアップそれぞれの役割について、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授の江尻晶氏に話を聞いた。 ※主な発言を抜粋・編集してあります。
ITERの中止は考えにくい
——核融合発電の分野では、国際協力プロジェクトITERが進行していると聞きます。
「ITERは、EU(欧州連合)、米国、インド、中国、韓国、ロシア、日本の7極、計35カ国が参加する、世界最大規模の核融合実験プロジェクトです。核融合反応によって、発電に必要なレベルのエネルギーを実際に生み出せるかどうかを実証することを目的としています」
「名称はプロジェクト名であると同時に、核融合炉そのものも指します。当初は、International Thermonuclear Experimental Reactor(国際熱核融合実験炉)の略語とされていましたが、現在は、公式にはラテン語のiter(道)に由来するとされています」
「ITERはあくまでも実験装置です。学術的な核融合研究を行うとともに、核融合反応を起こし、ブランケットと呼ばれる部品を用いてエネルギーを取り出すこと、三重水素を生成することなど、将来の発電炉に不可欠な技術要素を検証する役割を担っています」
「非常に高い性能が望める実験装置であり、多くの研究者が長い時間をかけて準備をしてきました」
——一方で、スケジュールの遅延も報じられています。
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