老朽化で突如崩落してしまう高速道路もあるのでインフラ整備は重要だが……(ミネソタ州ミネアポリスで崩落したミシシッピ川をまたぐ「ハイウエー35W」の橋)(C)AFP=時事

 

【ワシントン発】 ドナルド・トランプ大統領は1月30日、米議会上下両院合同本会議で1時間20分に及ぶ長時間の「一般教書演説」を行った。大統領就任から1カ月余りの2017年2月28日に行われた上下両院合同本会議での演説は「施政方針演説」であったため、トランプ大統領にとっては今回が初めての「一般教書演説」となった。

 堅調な米国経済や2016年大統領選挙での自らの勝利後に240万人の新規雇用が創出された良好な雇用情勢、さらに2017年末に成立した31年ぶりの大幅な改正を柱とする税制改革法が米国民に対してもたらすプラス効果などを強調しつつ、自らの業績を積極的に米国民に対して誇示しようとする姿勢が表れていた演説であった。

計画の公表さえも先送り続き

 トランプ氏は2016年大統領選挙キャンペーン当時から、米国内の道路、橋梁、高速道路、鉄道、空港などのインフラの老朽化が著しいため、10年間で1兆ドルを投じてインフラ整備を推進する必要を強く訴え続けていた。だが、大統領就任後の第115議会第1会期(2017年1月3日~2018年1月3日)では、医療保険制度改革法(通称オバマケア)の見直し法案と税制改正法案の審議にほとんどの時間とエネルギーを注がざるを得ず、インフラ整備計画の公表は先延ばしされ続けていた。そのため、当初想定していたインフラ整備関連法案の審議日程も大幅に遅れ、同法案の米議会への提出も行われないまま、結局、政権発足から1年以上が経過することとなった。

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