「平昌五輪」前夜の「米韓」緊迫(上)「駐韓大使人事白紙」と「鼻血作戦」の因果関係
2018年2月8日

ビクター・チャ氏(写真)の駐韓米大使起用が白紙になり、大使不在はさらに続く (C)EPA=時事
『ワシントン・ポスト』は1月30日、米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)韓国部長でジョージタウン大学教授のビクター・チャ氏を駐韓米国大使に起用する人事が白紙化されたと報じた。『ロイター通信』も同日、同様の報道を行った。米国の駐韓大使はオバマ政権で任命されたマーク・リッパート大使が昨年1月に離任して以来、空席が続いている。米国政府はチャ氏を大使に内定し、昨年12月に韓国政府に対してアグレマン(任命同意)を求めた。韓国政府は直ちに承認手続きを行い、米国側に通告した。相手国のアグレマンまで得た人物の起用が取り消されるのは極めて異例の事態だ。この人事白紙化から見えてきた米韓関係と、朝鮮半島危機の現状などを探った。
白紙の理由は2つ
ビクター・チャ氏は韓国系米国人で、対北朝鮮強硬派として知られた政治学者だ。ブッシュ政権下の2004年12月にホワイトハウスに入り、国家安全保障会議(NSC)アジア部長を務め、6カ国協議では米国の次席代表を務めるなどした。2007年5月からジョージタウン大学に復職していた。
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