イスラエルのハアレツ紙によれば、サウジアラビアがインドのエア・インディアが開設するデリー・テルアビブ便に、サウジアラビアの上空通過を許可したという。これまでサウジアラビアはイスラエル発着の便に上空利用を許しておらず、初めてのケースになるという。

"In Historic First, Saudi Arabia Allows Flights to Israel Over Its Airspace," Haaretz, February 7, 2017.

国交のないサウジアラビアとイスラエルは、対イラン政策などで利害が一致し、水面下で関係を深めているとされる。昨年はムハンマド皇太子がテルアビブをお忍びで訪問したといった噂も流れた。

トランプ大統領のエルサレム首都認定宣言により、表向きは関係正常化をしにくい状況だが、水面下での連携は深まっていると見られる。サウジ・イスラエル間の接近の氷山の一角が現れたものとして理解されそうだ。

この記事によると現在のイスラエルとインド間の直行便はイスラエルのエル・アル航空によるテルアビブ・ムンバイ便のみであり、この便はサウジアラビアの上空を迂回するために紅海上空をイエメン沖まで飛んでから左旋回してインドに向かうため遠回りになり、8時間かかるという。これに対して、エア・インディアはサウジアラビア上空を飛行して飛行時間を短縮し経済性を高めた形での就航に固執して交渉が難航していた。これを何らかの外交交渉で克服し、エア・インディア便はサウジアラビア上空を飛行して5時間半でデリー・テルアビブ間を結ぶことになるようだ。背後でイスラエル・インド・サウジアラビア間にどのようなやりとりがあったのかが興味深い。

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