ようやく連立合意にたどり着いたが……(左からSPDのシュルツ党首、CSUのゼーホーファー党首、メルケル首相)(C)AFP=時事

 

 ドイツのキリスト教民主同盟(CDU)、キリスト教社会同盟(CSU)、社会民主党(SPD)の3党間で続けられた連立交渉が、2月7日、とうとう合意に至った。実に9月の総選挙から4カ月半にわたる交渉の結果である。その間、当初の交渉当事者である90年連合・緑の党と自由民主党(FDP)が降り、代わってSPDが交渉相手としてCDU、CSUに対峙した。実に5党入り乱れての交渉である。

「反対を言おう」

 2大政党による大連立は、メルケル政権で3回目。本来、緊急避難的意味合いが強い大連立がこれほどまでに繰り返されるところに事態の深刻さがある。本当であれば、2大政党のうちの1つが小政党のどれかと連立を組むのが普通だが、それができないのが今のドイツ政治である。やむなく大連立を組み、数の上では安定多数を確保したように見えて実は政権基盤は不安定そのものだ。何と言っても、本来あるべき小政党との連立ができないためのやむを得ない選択が、大連立に他ならないからである。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。