米朝関係のキーマン・北朝鮮の韓成烈外務次官。経験豊富な外交官だ (C)AFP=時事

 

 米国と北朝鮮の2月10日の秘密会談が実現しなかったことで、米朝双方の対話に対する基本姿勢の違いが大きいことが明らかになった。北朝鮮は非核化を前提にした対話には応じない姿勢を堅持し、米国は非核化を前提としない対話には応じない姿勢を崩していないということだ。

 米朝秘密会談が実現しなかったことで米朝対話の兆しは消えてしまったように見えるが、時系列的に整理してみると、まだ「予備的対話」の火は消えていないように思える。

副大統領「対話を望めば応じる」

 マイク・ペンス米副大統領は、韓国から帰国する専用機の中で『ワシントン・ポスト』のインタビューに応じ、興味深い発言をした。この発言は、米朝秘密会談が流れた後のものであることに注目する必要がある。

 インタビューでペンス副大統領は、「北朝鮮が非核化への有意義な一歩とみなされる行動を取るまで、最大限の圧力を掛け続ける」とした上で、「(北朝鮮が)対話を望むのであれば、われわれは応じる」と語った。『ワシントン・ポスト』は、北朝鮮との対話に否定的な姿勢を示していたペンス副大統領のこうした発言は「重要な転換」と報じた。

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