「イタリア総選挙」でも吹き荒れたポピュリズム旋風
2018年3月13日
ポピュリスト政党の躍進が止まらない。
3月4日、イタリアで行われた総選挙の大勢が判明した。7日現在、上院98%、下院96%の議席が確定し、ポピュリスト政党の「五つ星運動」が上下両院で総投票数の約3割を獲得、単独政党としてトップに立った。もう1つのポピュリスト政党「同盟」も約17%と躍進し、所属する右派連合の中で最大得票を獲得した。今後、連立に向け交渉が開始される。交渉次第では、ポピュリストのリーダーがイタリア首相に就任することもあり得、EU(欧州連合)内に懸念が広がっている。交渉不調の場合は、大統領の判断でテクノクラートによる暫定内閣か再選挙の選択だ。
最悪のシナリオ
イタリアの政治は大きく分けて左に中道左派の「民主党(PD)」、右に右派連合、真ん中に「五つ星運動」が陣取る。これまで政権の座にあった中道左派の「PD」は2014年の欧州議会選挙で約41%もの得票を上げたにもかかわらず、今回約19%にまで落ち込んだ。すでに同党のマッテオ・レンツィ氏は党首辞任を表明しており、後任のパオロ・ジェンティローニ首相が次期内閣発足まで暫定首相を務める。
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