ロダンも挑んだ「ヌード」という「芸術」

執筆者:フォーサイト編集部2018年3月21日
オーギュスト・ロダン《接吻》(部分) 
1901~4年 ペンテリコン大理石 182.2×121.9×153.0㎝
Tate: Purchased with assistance from theArt Fund and public contributions 1953,image © Tate, London 2017

 

 誰もが持つ肉体を美の象徴として、愛の表現として、多くの芸術家が表現し続けてきた「ヌード」。しかし、一方でヌードは常に芸術家が生きた社会を纏い、世間と摩擦を生み出してきた。

 そんな社会の変遷を語る「ヌード」に焦点を当て、世界屈指の近現代美術コレクションと先進的な活動で美術界をリードしてきたイギリス「テート」の所蔵作品で構成する展覧会「ヌード NUDE ――英国テート・コレクションより」が、3月24日から横浜美術館で開催される。

 この展覧会には、「西洋美術における裸体表現」をテーマに、19世紀後半のヴィクトリア朝の神話画や歴史画から現代の身体表現まで、134点の様々な「ヌード」が集結する。これまで「ヌード」をテーマにした大規模展は前例が少なく、挑戦的な試みになるという。フレデリック・レイトンの理想化された裸体、ピエール・ボナールらの身近な人を描いた親密なヌード、オーギュスト・ロダンの大理石彫刻、シュルレアリスムの裸体表現、挑戦的なバークレー・L・ヘンドリックスやシンディ・シャーマンなど、時代を追って芸術表現の変化を辿ることができるのだ。

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